不思議なことが起こりました。
21年間、毎日のように使っていた器が
壊れてしまいました。
その代わりに復活したのが
思い出コーナーにしまってあったこの器です。↓
器を調理台の端に置いて一歩離れた次の瞬間…
私の足元に、
置いた器がぽとりと落ち…
目に入ったときはすでに壊れるように割れていました。
きょとんとしてしまうほど不思議なできごと。
お味噌汁がたっぷりできたので、
いつもの汁椀ではなくて、
長年愛用している織部の中鉢でいただこうとして
ことは起こりました。
「この器は柔らかい土ものだから欠けやすくて
縁があちこち欠けているのに、もう21年も使っている…」
と、思っていた矢先のできごと。
あまりにも見事な壊れ方。
ショックを通り越してあっけにとられてしまいました。
お味噌汁をほかの器でいただいたあと
記念撮影(笑)
なんだかオブジェになりそう?
…と遊んでいるうちに
代わりをどうするか、
現実的なことを考え始めました。
毎日のように使う中くらいの鉢。
直径13センチ、高さ9センチ。
重さも大きさも口当たりもいいので、
豚汁など汁物に重宝していたのです。
そのとき、
「あの器はどうだろう?」と、
食器棚の思い出コーナーに
長年しまったままの器が浮かび、
出してみました。
↑この器には、父との思い出があります。
20年前、父が現役引退記念と称して、
西日本ひと回り一人旅。
その帰途に私のところに立ち寄り。
帰り際、駅の改札口で、
なにを思ったのか、四十のムスメに
財布からおこずかいをくれました。
見送ったあとその足で
記念に買ったちょっと(私には)高価な器…。
残念ながらひびが入りやすく
汚れが取れにくく
使いにくくてお蔵(?)入りでした。
思えば、父が私のところへ来たのは
この季節でした。
来月は父の命日。
生きていれば91歳。
な~んだ。
緑の器が不思議な壊れ方をしたのは、
父を思い出すためだった?
ゴーストバスターズ♪
父のいたずら?(笑)
汚れたまましまってあった思い出の器。
2つのうち状態のよい方を復活させようと、
いつもの方法※で元の美しい色を取り戻しました。
持ってみたら、今の私の手にしっくり。
豚汁は似合わないけど(笑)。
写真では見えないけれどひびが2センチほどあります。
漆で繕いたくなりました。
あ、長年実現しなかった
漆の繕いを習いに行くきっかけかも?
日曜の午後、
愛用の器が割れたことがきっかけで、
思い出の器がきれいになって、
懐かしさともう会えないさみしさがごちゃ混ぜの
感傷的な気持ちが湧いてきて、
さらに、この先の愉しみに気づいたかな?
※《器の汚れの取り方》
使ったのは酸素系漂白剤。
沸かしたお湯を器に入れて
そこに酸素系漂白剤の粉を入れただけ。
このあと、器のおもてもきれいにするため
器をボウルに入れてお湯を足して
全体を漂白しました。
posted : 2016年10月9日