快適と安心のために、「あって当たり前」だったシンク横の水切りカゴをなくしてみる


最近キッチンから水切りかごをなくしました。
シンク周りがスッキリ片づき、
安心感もあります。

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暮らしのアドバイザー土井けいこです。
「暮らしがラクになる『減災収納』」7回目。

ふだんの暮らしに役に立ち、
災害時にも役に立つことをお伝えします。

 

阪神・淡路大震災までは、
食事のあと片づけがとてもイヤで、
食洗機さえあれば、
と思っていたという話をしました。

あの大きな体験をしたことで、
意識が変わって、
食器洗いは気持ちがいい作業になっているとも言いました。

 

そうなんですが、
悩みの種は水切りかごの周りが水浸しになって、
かごの汚れが取れないこと。

なぜ水切りかごが汚れるのか?

食器を洗って水を切るのに、
どのくらい伏せておけばいいか
わかりますか?

ザッと水を切るには、わずか数秒あれば十分
なのに、水切りかごに食器を入れたままに。

だから、食器が乾く間に、
水切りかごのステンレスについた水滴も乾燥して
水垢汚れになってしまっていたんです。

 

そもそも乾くまで置きっぱなしがよくない

ザッと水が切れたら即拭く
空(から)になっていれば、
水切りかごも洗って拭くことができます。

いや、やっぱり食洗機があればいい?(笑)
そうですね、ビルトイン(初めから備えられている)
なら地震でも安心。

でも、据え置き式は危ないです。
食洗機ごと飛んでくるかもしれませんから、
対策が必要ですね。

 

話は水切りかごの話へ戻ります。
あるとき、水切りかごをなくしてみたんです。
これが快適。

ひとり分とか少しの量なら
水分を吸収するクロスを敷くだけで
十分用が足りるんです。

すすいだとき、
ちょっと器を振って水を切るだけで
水浸しも解消です。

 

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最後の食器をすすぎ終わり、
器が手から離れた瞬間
さっとふきんを手にして拭いている自分がいます。
意識が変わるとすることが変わりますね。

 

 

じつは、これまで使っていた水切りかごは、
阪神・淡路大震災当時のもの。

当時の四角いシンクにぴったりサイズがあって
シンクにハンギングして使っていましたから、
地震でもその中に入っていたグラスはビクともせず。

でも、今のシンクには形が合わないのです。
それで、シンクサイドに「出して置く」のですが、

そうすると不安がよぎるのです。
水切りかごの置き場所は、キッチンの出口すぐです。

おまけにその中に食器を乾くまで
入れたままにしていたものだから、
地震で出口に食器が散乱するのでは?と不安に。

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すぐに片づけたら散乱する確率はずっと低くなりますが
すぐに拭いて片づけることが習慣になったのは、
水切りかごをなくしたあとのこと。

水切りかごという置き場所があるから
不安におもいながら、

食器をためてしまっていたんです。

 

 

ふとバットを水切りかごの代わりに使うと
どうだろう?
最後にしまうこともできる、と思い、早速実行。

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バットの底には、
クッションゴムを貼って滑り止め。

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バットはしまうにもよく、
料理にも使えて、なかなかいい。

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キッチンが狭いから
大きな水切りかごが置けないと
思っている人がいるかもしれません。

お鍋でもなんでもどんどん積み上げられる
大きな水切りかごがほしい、という声も聞きます。

私の場合、もともと水切りかごは小さくて、
場所塞ぎな大きなお鍋や調理道具は

先に洗って拭いて、
食器を洗っている間に乾燥させて片づけていました。

 

大きいとそれだけものがたまりますから
小さい方がいい。

家族が多いから、
洗い物がたくさんあるから、無理?

そういう場合でも、
同じ形の器を続けて洗うなど工夫のしどころはある。

20人以上もてなして、
幅18センチの水切りかごで、
あとの洗い物もしてきましたから。

 

「ないと困る」は、
もしかしたら「なくてもなんとかなる」
かもしれません。

 

水切りかごをなくしたことで、
洗ったら拭いて片づける、ということが

すんなりできるようになって、
シンクサイドがスッキリ片づき、
安心感も得ています。

 

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震災当時、
せっせとたくさんのものをしまう工夫をしていた私。

地震後の散乱した状態を思い出すと
なんとなくもっていたものが散乱するのは哀しい。

なにより、置きっぱなしにしないのが
今日の快適と安心になるとあらためて思っています。

 

 


posted : 2016年9月3日