「思い出のものが捨てられない…」。平成の思い出を片づける。作品の処分方法と納得の残し方

“暮らしはラクに楽しく♪”
暮らしのアドバイザー 土井けいこです。

「今日を大切に」する時短家事と
暮らしがラクになる『減災収納』を
お伝えしています。

壁際の家具を動かしました。
3年前に家具のリフォームして以来です。

家具と壁の間には
大きな額(10年くらい前の作品)を
しまってあります。

いつもは
壁際の隙間を上からのぞくように掃除。
そのたびに
額の箱が目に入って…。
こんな大きな額(約160×45センチ)は
うちには飾れないな~、
と思っていました。

今日、家具の奥から額の箱を出して
「作品を前に見たのはいつだったかなぁ~」
と、長年作品を
見てこなかったことに気づいて
ドキッ!

 

■手放すことは決まっている?
ほんとうに必要なのはきっかけ

「捨てられない」という声を
よく聞きます。

何度見ても手を触れても
どれにも好きな理由があって
どうしようもなく
身をよじるような思いで
捨てられない?

そうではなさそう。
しまい込んで
どこにしまったかさえ忘れているかな?

見たり触ったりして
ちょこちょこものと関わっていると
手放すときがきているものって
心のどこかでわかるんです。

だからあとは
具体的に対処する
きっかけが必要なだけ
、たぶん。

今回処分の作品は
思い出のものではなかったのです。

だって、
箱を開けるまで何を書いたか忘れていて、
開けて見ても何を書いているのか
一瞬わからず。(笑)

「思い出」のものだったら
そんなことにはなりません。

 

■平成の「思い出」を片づけます!

写真は、10年くらい前の作品。
四文字のうち上二文字が失敗。(笑)

平成を区切りに
作品は処分します。
なかなかというか
すごくよいきっかけです。

それでも
心の中で「全部なくしてしまう?
一部でも残さない?」
そんな声がしたような?

その声に素直に従って
まず、
明らかに好きではないところを
切り取ります。

そうするうちに残し方が
浮かんで
手持ちのアクリルパネルに入れて
小品に仕立てました。

 

■本当の思い出はどこにある?

大人になって書道を始めたのには
少々事情があります。

小学、中学と
お習字のお稽古が大好きで
高校は書道部に。

しかし、ここで挫折。

書の世界は高校からは大人扱い。
それまで大きな紙に書くのは
書初めくらい。

大人の書は
大きく長い半切の紙に
漢文を(お手本通りに)臨書します。

慣れない大きな紙に
たくさんの漢字を書くのですが
集中力が保てず字を飛ばす。
漢文で文字抜け。(泣)

それなら
柔らかく長い羊毛筆を使って
創作ができる…かといえば
そのセンスもない。。。(泣)

それなのに
部員不足で私は部長に。
何しろ部員がいない。
諸先輩が築いた書道部は
私の代でつぶれました。

書けないことと
部員を勧誘できずにつぶしたことで
ダブルの敗北感が心の底に。(泣)

敗北感を払拭したくて
二十代で書道にチャレンジ。

技術もなかったけれど、
やはり集中力がなくてまたもや挫折。

時を経て平成の半ば、
50歳を前に書道に再チャレンジ。
師匠に恵まれました!

条幅(作品)、
万葉集などの古典(かな)や
羊毛を使ったアート(?)。。。
書の楽しさを体験した数年間でした。

その頃つくった作品の一つが
今回処分対象の作品です。

大きな額の作品は思い出?
書展で展示が終了したときに
作品は役目を終えていたんですね

だから箱に入れっぱなしで
何を書いたかも
憶えていなかったのです。

お気に入りの作品は
お正月には壁に掛けて
毎年見て愉しんでいます。

大切なものは
ぞんざいな扱いはしないですよね。

わたしの敗北感払しょくの
記念の思い出の作品は
お正月用のが一つあれば十分。

あ、一文字残した「心」も
おまけに。

そうか…
わたしにとって本当に大切なのは
もの(作品)ではなくて
書けるよろこびを体験したことに
あったんですね。

 

■額への未練をどう処理する?

どうしよう?
問題は額です。
(表具代金も含めてですけど)
三万円はしたとおもいます。
そういうところで欲が出ます。(笑)

でも…中身を出して
アルミの枠だけになったら
掛けた費用のことも
額としてどこかで活かしてほしい気持ちも
なんだかどうでもいいように
思えてきました。

関わっているうちに
自然と額を残すことに執着しない気持ちに

箱の中を見ないでいたときの
「もったいない」って何

だったんでしょうね。

平成のうちに(明日)
アルミの枠は万能ノコギリで
切ってコンパクトに
まとめるつもりです。

作品を壁際にしまったときから
心の隅で作品の処分は決まっていて
タイミングを
待っていたのかもしれません。

そうそう、
着物を着るようになったのも
書展がきっかけでしたね。

平成の思い出の着物も
整理したいけれど
間に合わないですね〜。

こちらはどれも好きすぎて
身をよじるほど悩ましい…。
…といいながら
一年以上触れていません。(笑)

 


posted : 2019年4月29日